お金の流れ

表面の利回りと手残りがズレる理由

不動産投資の広告や紹介記事で、よく目にするのが「利回り」という数字です。
表面利回り◯%、高利回り物件、といった言葉は、初心者ほど目を引きます。

しかし、この利回りをそのまま信じて判断すると、
実際のお金の流れと大きくズレます。

なぜズレるのか。
それは、利回りが現金の動きを反映していない数字だからです。


表面利回りは「家賃だけ」で作られている

表面利回りは、
年間の家賃収入 ÷ 物件価格
という非常に単純な計算で出されます。

この数字には、
ローン返済
管理費
修繕費
税金
空室
といった要素が一切含まれていません。

つまり、
「満室で、何も起きなかった理想状態」
を前提にした数字です。

現実の運営とは前提が違います。


ローン返済は利回りに反映されない

多くの人は、融資を使って物件を購入します。
しかし、利回りの計算にはローン返済が含まれません。

毎月いくら返済するのか
金利はどれくらいか

こうした要素は、利回りの数字からは見えません。

利回りが高くても、
返済額が大きければ、
毎月の手残りはほとんどないこともあります。


管理費と手数料が確実に削っていく

管理会社を使う場合、
管理費や手数料は毎月確実に発生します。

これは、
「たまに出る支出」ではなく
「必ず出る支出」です。

利回りは、
この確実に削られる部分を無視した数字です。

その結果、
想定より残らない、という違和感が生まれます。


修繕費は利回りでは表現できない

修繕費は、
いつ、いくらかかるかが読みにくい支出です。

そのため、多くの利回り計算では
ほぼ考慮されません。

しかし、現実には、
給湯器
エアコン
水回り
外壁

これらは必ず劣化し、
まとまったお金が出ていきます。

利回りが高く見える物件ほど、
修繕費が後から効いてくるケースもあります。


税金は利益がなくても発生する

固定資産税などの税金も、
利回りの計算には含まれません。

現金が残っていなくても、
税金は請求されます。

この点を理解していないと、
「利益が出ていないのにお金が減る」
という感覚になります。

これは利回りの欠陥ではなく、
利回りが見る範囲が狭いだけです。


空室は利回りを一気に崩す

利回りは、満室前提の数字です。
一部屋でも空室が出れば、
前提が崩れます。

さらに、空室は
家賃が入らないだけでなく、
修繕や募集費を伴います。

利回りには、
この「同時に起きる支出」が反映されません。


利回りは比較用の数字にすぎない

ここまで見ると、
利回りは使えない数字のように見えるかもしれません。

しかし、利回り自体が悪いわけではありません。
問題は、判断に使ってしまうことです。

利回りは、
物件同士をざっくり比較するための指標です。

「どちらが安いか」
「どちらが高そうか」

その程度の役割しか持っていません。


判断基準は「毎月いくら残るか」

実際に見るべきなのは、
毎月いくら残るか、
または赤字になるのか、です。

家賃収入から、
ローン返済
管理費
修繕・積立
税金分

これらを引いたあと、
現金がどう動くか。

これが、実態です。


赤字でも即失敗ではない

毎月の手残りが赤字になると、
すぐに失敗だと考えがちです。

しかし、不動産投資では、
一時的な赤字が必ずしも致命的ではありません。

重要なのは、
その赤字をどれくらい耐えられるか。

利回りでは、
この「耐久力」が見えません。


手残りを見ると物件の見え方が変わる

手残りを基準にすると、
高利回り物件が魅力的に見えなくなることがあります。

逆に、
利回りが低く見える物件でも、
安定して手残りが残る場合もあります。

この視点の切り替えが、
初心者と長く続ける人の分かれ目です。


数字を見る順番を間違えない

不動産投資では、
数字を見る順番が重要です。

利回り → 判断
ではなく

お金の流れ → 手残り → 判断

この順番で考えると、
無理のない判断ができます。


利回りは「入口」、手残りは「答え」

利回りは、物件を見る入口として使います。
しかし、最終的な答えは手残りです。

この違いを理解すると、
広告の数字に振り回されなくなります。


最後に伝えたいこと

不動産投資で失敗する多くのケースは、
数字を間違えたのではなく、
見る数字を間違えたことが原因です。

表面の利回りではなく、
実際に残るお金を見る。

この視点を持てば、
判断はかなりシンプルになります。

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