
不動産投資で初心者が特に見落としやすいのが、
「たまにしか出ないが、一度出ると大きい支出」です。
毎月の支出や毎年の支出は、ある程度予測できます。
しかし、この「たまに系」は予測が難しく、
しかも一度にまとまった金額が出ていきます。
不動産投資が途中で続かなくなる理由の多くは、
この支出に耐えられなくなった瞬間に起きます。
修繕費は突然やってくる
代表的なのが修繕費です。
給湯器、エアコン、水回り、外壁などは、
ある日突然、壊れます。
事前に「そろそろ来そうだな」と分かる場合もありますが、
多くの場合は急です。
昨日まで普通に使えていた設備が、
今日いきなり使えなくなる。
これが不動産では普通に起こります。
修繕は先送りできません。
放置すればクレームになり、
最悪の場合、退去につながります。
金額が一気に出るのが問題
修繕費の怖さは、
「金額が大きい」こと以上に、
「一気に出る」ことにあります。
数万円で済む場合もあれば、
十万円単位になることもあります。
毎月少しずつ出る支出であれば、
家賃収入の中で吸収できます。
しかし、突然まとまった金額が出ると、
手元の現金が一気に減ります。
ここで余裕がないと、
その月の収支が一瞬で崩れます。
空室が出ると支出が重なる
さらに厄介なのが、空室が出たタイミングです。
空室は収入が減るだけでなく、
支出が増えるきっかけにもなります。
退去後には、
原状回復が必要になります。
修繕
クリーニング
これらはほぼ確実に発生します。
加えて、新しい入居者を募集するために、
募集費や広告費がかかります。
つまり、
収入が止まるタイミングで、支出が重なる
という状況が起きます。
「空室=家賃ゼロ」では終わらない
初心者がよく勘違いするのが、
空室は「家賃が入らないだけ」という考え方です。
実際には、
家賃が入らない
+修繕費
+クリーニング代
+募集費
という形で、
お金は出ていき続けます。
この期間が長引くほど、
現金は減っていきます。
たまに系はシミュレーションに出てこない
多くの収支シミュレーションでは、
この「たまに出る大きな支出」が薄く扱われます。
理由は単純で、
数字にしにくいからです。
いつ壊れるか分からない
いくらかかるか分からない
その結果、
計画上は存在しないものとして扱われがちです。
しかし、現実では確実に起きます。
起きるかどうかではなく、いつ起きるか
修繕や空室は、
起きるかどうかの問題ではありません。
いつ起きるかが分からないだけです。
長く持てば、必ず当たります。
この前提を持っていないと、
一度の出来事で投資自体が止まります。
積み立てで吸収できるかが分かれ目
この「たまに系」の支出に耐えられるかどうかは、
積み立てができているかで決まります。
毎月の収支が黒字でも、
積み立てをしていなければ意味がありません。
修繕用
空室対応用
これらを別で確保しておくことで、
突然の支出でも冷静に対応できます。
積み立ては安心のためではない
積み立ては、
気持ちを楽にするためのものではありません。
続けるための条件です。
積み立てがない状態では、
修繕が起きるたびに判断が揺れます。
「今は直さなくてもいいか」
「次の入居まで待とうか」
こうした判断の遅れが、
結果的に損失を大きくします。
たまに系を想定すると物件の見え方が変わる
この支出を前提にすると、
物件の評価基準が変わります。
利回りが高いかどうかより、
「耐えられるかどうか」が重要になります。
たまに来る大きな支出を吸収できない物件は、
どこかで必ず苦しくなります。
最後に見るべきお金の流れ
毎月
毎年
そして、たまに出るお金。
この3つをすべて並べて初めて、
不動産投資のお金の流れが完成します。
この「たまに系」を軽視しないこと。
それが、長く続けられるかどうかの分かれ目です。