
物件情報を見ていると、ほぼ必ず目に入る数字があります。
それが「表面利回り」です。
表面利回りは、
年間の家賃収入 ÷ 物件価格
という、非常にシンプルな計算で出された数字です。
一見すると分かりやすく、
高ければ高いほど良い物件に見えます。
しかし、不動産投資で本当に重要なのは、
この数字そのものではありません。
重要なのは、
毎月いくらお金が残るのか
この一点です。
表面利回りは「家賃しか見ていない」
表面利回りが危うい理由は、とても単純です。
この数字は、
「家賃が満額入り続けた場合」
という前提で作られています。
そこには、現実に必ず発生する支出が一切含まれていません。
実際の運用では、
家賃収入から、次のようなお金が引かれていきます。
ローン返済
管理費
共用部の電気代や清掃費
固定資産税
修繕費
空室期間
入居者募集の費用
これらは、
「運が悪いときだけ発生する費用」ではありません。
不動産を持つ限り、ほぼ確実に発生するコストです。
表面利回りは、
こうした現実をすべて無視した数字だということを、
まず理解しておく必要があります。
利回りが高くても、お金が残らない物件は普通にある
初心者が最初につまずきやすいのが、ここです。
利回り10%
利回り12%
利回り15%
数字だけを見ると、とても魅力的に見えます。
しかし、
ローン返済が重い
修繕費がかかる
管理費が高い
空室が頻繁に出る
こうした条件が重なると、
手元に残るお金はほとんどありません。
極端な話、
表面利回りが高くても、
毎月の収支がトントン、あるいは赤字
という物件も珍しくありません。
数字が派手なほど、
中身を疑う癖をつける必要があります。
本当に見るべきなのは「毎月の手残り」
不動産投資をシンプルに考えるなら、
見るべき指標は一つだけです。
それが、
毎月いくら手元に残るのか
という視点です。
年間ではなく、
利回りでもなく、
「月ベース」で考えます。
なぜなら、
ローン返済も
管理費も
生活費も
すべて月単位で動くからです。
月の収支が安定していない物件は、
長期的に見ても不安定になります。
ざっくりでいいから、必ず引き算をする
細かい数字を完璧に出す必要はありません。
最初の段階では、
ざっくりで構わないので引き算をします。
考え方はシンプルです。
月の家賃収入から、
ローン返済
管理費
共用部の費用
固定資産税の月割り
修繕の積立
空室の見込み
これらを差し引いて考えます。
ここで重要なのは、
「楽観的に見積もらない」ことです。
空室はゼロ前提にしない。
修繕費は発生しない前提にしない。
多少多めに見積もるくらいで、
ちょうどいい判断になります。
この時点で薄利な物件は、かなり危うい
引き算をしてみて、
「ギリギリ黒字」
「少ししか残らない」
という物件は、注意が必要です。
なぜなら、
不動産投資では、
想定通りにいかないことのほうが多いからです。
空室が一か月延びる
修繕が前倒しで発生する
金利が上がる
管理費が上がる
こうしたズレが起きた瞬間に、
収支は簡単に赤字に落ちます。
最初の時点で余裕がない物件は、
精神的にも経済的にも苦しくなります。
「手残り」で見ると、物件選びは一気に現実的になる
表面利回り中心で見ていると、
どうしても夢のある数字に引っ張られます。
しかし、
手残りベースで見るようになると、
見える景色が変わります。
この物件は、
本当に毎月お金を生んでくれるのか。
想定が少し崩れても、
耐えられる余裕があるのか。
この視点で見ると、
派手な物件より、
地味でも安定した物件の価値が見えてきます。
不動産投資は「事業」だと考える
不動産投資は、
ギャンブルでも
宝探しでもありません。
毎月の収入と支出を管理する、
れっきとした事業です。
事業であれば、
売上だけを見て判断する人はいません。
必ず、
経費を引いた後に、
いくら利益が残るのかを見るはずです。
不動産も同じです。
表面利回りは、
あくまで入口の数字にすぎません。
最終的に判断すべきなのは、
自分の口座に、
いくら残るのか。
その一点です。
まとめ:利回りより、現金が残るかを見る
広告や物件情報に書かれている利回りは、
参考程度に見るものです。
鵜呑みにするものではありません。
本当に見るべきなのは、
毎月の手残りです。
家賃から、
確実に出ていくお金を引いて、
それでもプラスが残るか。
この視点を持つだけで、
危ない物件をかなりの確率で避けられます。
派手な数字より、
地味でも残るお金。
それを基準に物件を見ることが、
長く続く不動産投資への第一歩になります。